【SEMBAサロン vol.109レポート】オンライン開催「北欧の空間デザイン&アートの旅」(栗原 孝弘 氏、大森 あき子 氏)
今回はオンライン開催にて、株式会社ゼクア 一級建築士事務所 代表/デザインディレクターで、一般社団法人日本空間デザイン協会(DSA)理事・関西支部長の栗原孝弘さんに、ヘルシンキ、ストックホルム、コペンハーゲンなど、北欧の街を訪れた際に出会った、空間デザインやアート作品をご紹介いただきました。
スウェーデン
北欧の旅は、まずストックホルムの地下鉄アートからスタートします。続いて、20世紀以降の建築物として初めて世界遺産登録された「森の墓地」や、“知識の壁”と呼ばれる、壁一面が書架になった「ストックホルム市立図書館」など、グンナール・アスプルンドによる建築を解説。
続いては、スウェーデンを代表する陶磁器メーカー、グスタフスベリ社の工場へ。ここでは、スティグ・リンドベリ、リサ・ラーソンなどの洗練された作品が並び、物販もされているそうです。
デンマーク
続いて、ストックホルムから列車で6時間移動して辿り着いたのは、デンマーク コペンハーゲン。
邸宅を改築して始まり、その後、増築を重ね世界的な名声を得ている「ルイジアナ近代美術館」では、今回の案内ページにも登場したツタで覆われたオールドハウスが出迎えてくれます。そこを抜けた先には、美しい庭園や丘が広がり、アレクサンダー・カルダーや、ヘンリー・ムーアの作品が配置されています。目の前には海岸線が見えて、海水浴を楽しむ人もあり、子どもから高齢者まで憩いの場として親しまれているとのことでした。こちらは、ヨルゲン・ボー、ウィルヘルム・ウォーラートによる建築で、“世界で一番美しい美術館”とも称されているそうですよ。
続いて、オーフスに移動し、栗原さんが旅の大きな目標の一つとされていた「アロス・オーフス現代美術館」へ。こちらの屋上には、オラファー・エリアソンの作品であるレインボー・パノラマ回廊があり、見る位置によって街の景観が違った印象で見ることができます。人が歩いている様子も楽しいですね。
続いてご紹介いただいたオアスタッド地区は、現在、ニュータウンとして建設中とのことで、ユニークなマンションが建ち並んでいるのが印象的でした。
フィンランド
続いてはフィンランドへ。こちらは、テンペリアウキオ教会。もともとあった氷河に地表が削られ露出した岩盤をくり抜き、そのまま利用して建てられています。街中のいたるところでそういった岩肌が見られたということでした。
他にも、2018年にオープンし、世界一優れた図書館に選ばれたヘルシンキ中央図書館や、フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アールトのスタジオなどをご紹介いただき、サロンは終了しました。
栗原さんの旅をなぞるように北欧の街を巡ることができ、洗練された空間デザインも感じることができ、参加された皆さま、とても満足されていました。
終了後に挙がった「日本と北欧で意外と似たところはありますか?」という質問に対して、栗原さんが実際に旅をして感じたのは、「建築が自然と一体になっているところ」だとおっしゃいます。昨今、北欧の暮らしに憧れる人が増えているのは、そういったところから来ているものなのかもしれませんね。
最後に、有限会社大森デザイン事務所 取締役で、日本空間デザイン協会(DSA)副会長の大森あき子さんに、団体の活動紹介とセミナーのご案内をいただきました。
また今後、DSAを含む、JCD、JID、SDAの4団体共催で、日本の空間デザイン展が開催予定になっていますので、ぜひ、こちらにも足をお運びください。
【日 時】9月11日(金)19:00~20:00
【スピーカー】栗原 孝弘 氏(株式会社ゼクア 一級建築士事務所 代表/デザインディレクター)
大森 あき子 氏(有限会社大森デザイン事務所 取締役)
【参加人数】82名