『デジタル技術が魅せる未来』レポート
■ブロック・チェーン技術の現在と今後の展開
~仮想通貨からスマートコントラクトに至る価値流通基盤革命~
広報担当者より、大学の施設・設備や、行なわれている研究について説明をいただいた後、2グループに分かれて、クリーンルームとTEM顕微鏡を見学。技術職員の説明を受け、参加者から専門的な質問が矢継ぎ早に飛んだ。
会場の教室へ移動し、いよいよブロック・チェーンの講義開始です。まずビットコインの概要から入り、トランザクション(取引明細)、マイニングなど基礎用語の説明、オープンソースであるビットコインが成り立つ仕組みなど、感覚的にブロック・チェーンが理解できる内容です。質疑応答を挟み、後半へ。
質問にも上がった処理スピードが遅く感じることから始まります。スケーラビリティ問題が起こる要因として、1ブロックの上限サイズが1メガバイト、トランザクションのデータは500バイト前後、これにより1ブロック当たりに入るトランザクションが2000程度になります。結果として、1秒あたり処理できるトランザクションの数が3個。しかもトランザクションの処理は公平ではなく、プライオリティを決める要素が複数あるとのこと。そして、待ち行列理論から数理的分析を含めた内容へ。最後にブロック・チェーンの特徴を生かした応用例として、IoTや金融、行政サービスなどが挙げられました。
【講 師】広報担当 先端科学技術研究科 情報科学領域 教授 笠原 正治 氏
企画総務課 広報部渉外係 係長 近藤 雄一郎 氏
企画総務課 広報部渉外係 福本 好秀 氏
【実施日時】2019年9月6日(金)13:00~16:00
【実施場所】奈良先端科学技術大学院大学 情報領域棟1F S1・S1教室
【構 成】13:00~13:30 大学概要説明(マルチメディアホール)
13:30~14:00 学内見学(クリーンルーム、TEM顕微鏡)
14:00~16:00 講義(笠原教授)
【参加対象】中小企業経営者、後継者、企画開発責任者、デザイナー、新規創業予定者など
【参加者数】11名
■ロボットとAI
~ロボットはがん患者を笑わせられたか?~
まずキャンパスツアーへ。サイバーライブラリは、多種多様な使い方ができ、平土日は21時まで利用が可能。国際交流センターでは、自身のレベルに合わせて、気軽に留学生と国際交流できます。iCommonsは食事をはじめ、多くの人が集い、活気がありました。
講義冒頭で「人工知能とは?」という基本から入ります。歴史は1947年からと意外に古く、2012年のディープラーニングが今日のAIをけん引しているとのこと。ただし、ディープラーニングの基礎ロジックは、第1次ブームの時点でほぼ完成しており、コンピュータのスペックが低くて出来なかったことを現在しているとのこと。分かりやすい言葉で、身近なものを取り上げながら講義が進みました。
後半に漫才ロボットの「アイちゃん(ツッコミ)」と「ゴン太(ボケ)」の実演がありました。笑いの医学的効果から、医療・介護の現場で「笑い」を提供し、心のケアをすることを目的にコミュニケーションロボットの研究開発をされています。部分的に人工知能技術を使った、ボケやノリツッコミ、謎かけの自動生成の仕組みへ。お題をもらってから1~2分で漫才が完成しますが、笑いについては、聞く人とネタによるとのこと。
AI技術の発展スピードは早く、画像認識については強いが、対話についてはディープラーニングの計算に長大な時間を要するため、まだまだ難しいといいます。量子コンピュータが一般化すると世界は変わると締めくくられました。
【講 師】広報担当 知能情報学部 知能情報学科 教授 灘本 明代 氏
理工学部・知能情報学部事務室 松尾 美帆 氏
【実施日時】2019年9月25日(水)14:00~17:00
【実施場所】甲南大学 知能情報学部 7号館 共同実験室
【構 成】14:00~14:30 キャンパスツアー
14:40~16:00 講義(灘本教授)
【参加対象】中小企業経営者、後継者、企画開発責任者、デザイナー、新規創業予定者など
【参加者数】10名