【SEMBAサロン vol.108レポート】「パケ買いしたくなる!世界のパッケージ」(三原 美奈子 氏)
今回は、三原美奈子デザイン 代表の三原美奈子さんに、「パケ買いしたくなる!世界のパッケージ」というテーマのもと、お話しいただきました。
三原さんは、食品・コスメなどのパッケージデザインを中心に手掛けられているほか、展覧会や講演・ワークショップなど、パッケージを一般に広めるためにも精力的に活動されています。
三原さんは祖父から続く旅好き家系ということで、ご家族もみなさま旅行を楽しまれているということです。三原さんは30代のころから海外旅行(基本は一人旅)に行きはじめ、海外では夜行列車に乗って旅されるのがお好きだとのこと。これまでに47都道府県を訪れ、海外は30か国は回られたとのことです(!)
まずはじめに、昨年パッケージデザイン協会のデザイン視察で訪れたインドネシア、シンガポールのお話では、現地ジャカルタの空港や街の様子に始まり、現地デザイナーたちと一緒にスーパーを回り、ディスカッションをされた様子などをご紹介いただきました。
その土地の生活に根付いたパッケージの数々
インドネシアでは、生活の中でバティック(ろうけつ染めの布地)がよく用いられることから、それを活かした柄や、それ以外にも絵柄が用いられるパッケージが多く、シンプルなものは手に取っていただきにくい傾向にあるということでした。
続くシンガポールでは、中国系の方が多く生活されていることから、中国らしい特徴的な街並みやパッケージ、リトルインディアを訪れた様子や、世界中の商品を扱うスーパーの商品などなどをご紹介。また、デザイン会社を訪問された様子も併せてご紹介いただきました。
続いてはクロアチア。イタリアの隣国ということで、店頭にはオリーブオイルやトリュフ製品が多く、また海が近いということもあり、魚介類製品(特に缶詰め)が数多く並んでいるということで、それらのパッケージをご紹介いただきました。
お隣のモンテネグロは、街中にロシア語のキリル文字がたくさん見られ、スーパーなどの作りもソ連時代の特徴で、入り口が分かりづらい構造になっているとのこと。発色のいいピンク色をした乳製品パッケージが印象的だったということです。
最後にご紹介いただいたのは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ。風光明媚な景色が広がる街並みに対して、スーパーの中は予想以上に薄暗かったということです。これは元共産圏ではよくあることですが、クロアチアなどに比べてやはり経済が厳しいように感じられたそうです。
今回、パッケージだけでなく、世界各国の街の雰囲気や、その国にまつわるエピソードも添えてご紹介いただいたことで、その国の背景に触れながらパッケージを見ることができ、また、現地を旅したような気分にさせていただきました。
ご紹介いただいたパッケージをはじめ、今回ご紹介しきれなかったロシア、アメリカ、韓国、カザフスタン、キルギス、ジョージアなど、他の国のパッケージも含めて、実物を多数お持ちいただき展示いただいたので、後半の懇親会では、参加者のみなさまに実際に手に取ってご覧いただきながら交流いただきました。また、参加者の方にお持ちいただいた”パケ買い”パッケージも併せて展示し、それぞれをご紹介いただきながらの和やかな雰囲気の中で、名刺交換、交流いただきました。
【日 時】2月14日(金)19:00~21:00 後半は懇親会
【スピーカー】三原 美奈子 氏(三原美奈子デザイン 代表)
【参加人数】29名