【SEMBAサロン vol.105レポート】「芸術活動が財産に。芸術から学び起業したユニークビジネスキャリア」(金崎亮太氏)
今回は、株式会社アートマネジメント 代表取締役で電子音響音楽家の金崎亮太さんに、「芸術活動が財産に。芸術から学び起業したユニークビジネスキャリア」というテーマのもと、お話しいただきました。
金崎さんは、芸術大学卒業後、就職をせずに、美術館、芸術センターなどで、ピアノと電子音楽を掛け合わせた演奏や、企業のプロモーションビデオ制作、プロジェクションマッピング制作など、数多くの芸術活動をされてきました。最近では、昨年、京都るり渓温泉で開催されたイルミネーションでも音楽を担当されたとのことで、冒頭では、これまでに手掛けられたプロジェクトをいくつか映像でご紹介いただきました。
芸術家、音楽家として2つのコンセプトを持たれているということで、「始まりの音楽ってなんだろう?」「ヒトはなぜ音を鳴らし続けるんだろう?」ということを常に問われているとのこと。アルタミラなどの洞窟では壁画として始まりとされるものが残っているが、音楽は、物としては笛や石の打楽器などはあるが、音楽そのものは現存するものがない。では、どのように残していけばよいのか?そういった自らの問いかけに対して、制作・発表していくことで見つけていこうとされているとのこと。
国立中之島美術館でインターンをされていたことがあるそうで、その際に学んだ「思考のプロセスの中に作品は存在する」という言葉は、芸術表現だけでなくビジネスにおいても大事にされているということで、これはアート思考においても大切なことではないかということです。
また、企画ディレクターとして百貨店で催事企画や、ショーウィンドウの展示なども手掛けられてきたということで、数々の事例をもとに解説いただきました。これまでの経験から、芸術家、企画ディレクター、また、主催者側の3つの視点を持つことができるようになったことをきっかけに、アートと社会をどのように接続していけばよいのかを考えるようになり、就職を決意されたそうです。
就職するにあたり、立てられたテーマは3つ。
・アートをビジネスにできないか模索する(ビジネスモデルを作れないか)
・企画する力を身につける
・営業する力を身につける
その後、29歳で就職活動を開始、30歳で株式会社リクルートライフスタイルにて美容広告の営業マンとして初めての就職。その後、株式会社阪急阪神百貨店に転職され、祝祭広場での物販を中心に企画・運営をされるようになり、営業力、企画力のノウハウを身につけられたということです。
次にアート思考についても少し触れていただき、ピカソの言葉などを例に挙げ、”クリエイティブな発想は閃きや感性のみで作られるものではない”ということを解説いただきました。また、思考を止めないということが大切で、コツとしては、身近にある様々なことに対して「なぜ?」という気持ちを持つことで、それがおのずとアート思考につながるということです。
そして、これまでに芸術、企画、営業という、枠を越えたユニークなビジネスキャリアで培われた経験を元に2つの新たなビジネスモデルを作られ独立、起業。現在は芸術系人材を社会に繋げるお仕事をされています。
“つながるデザイン”運営
希望する仕事に就けない芸大・音大生のために、そのスキルや発想力と社会を繋ぐためのコンサルティング
芸術・音楽系人材特化型 キャリアアドバイザー
金崎さんだからこそ辿り着くことができたビジネスモデルに、参加された皆さま感心されている様子で、終了後の懇親会でも、引き続き円を囲んで意見交換されるなど、和やかな雰囲気の中で交流いただきました。
【日 時】10月4日(金)19:00~21:00 後半は懇親会
【スピーカー】金崎 亮太 氏(株式会社アートマネジメント 代表取締役/電子音響音楽家)
【参加人数】12名