【SEMBAサロン vol.102レポート】「新時代に入った3次元デザインと設計」(岡村修一氏)
今回のSEMBAサロンは、キュウプロダクツ代表でインダストリアルデザイナーの岡村 修一さんに、「新時代に入った3次元デザインと設計」というテーマのもと、お話しいただきました。
岡村さんは、いくつかの工業デザイン事務所を経て、1992年にキュウプロダクツを設立されました。コンピュータによるデザインは黎明期から始められ、3D-CADも20年前から使って来られています。
まずはじめに、一般的に使用されている3D-CADソフト、3Dプリンターが、90年代からこれまでの間に、どのように移り変わってきたのかを、それぞれの特徴とともに詳しく解説いただきました。
現在、工業デザイナーの中で広く使われているものでは、ソリッドワークス、ライノセラスがあり、岡村さんも業務でソリッドワークスを使用されることが多いということですが、最近は似たような機能性を持ちながらも安価で使用できるFusion360、ZW3Dminiに注目が集まっているということです。その理由として、ソリッドワークスが高価であるのに対し、Fusion360は個人使用であれば無料、業務で使用する場合であっても年商10万ドル未満であれば無償利用できるということです。また、今回のテーマにもなっているZW3Dminiも安価で使用できるのは同じですが、大きな違いとしては、Fusion360がクラウド保存しか対応していないのに対し、ZW3Dminiはローカル保存ができるため、ネット環境がなくても使用できるということです。
実際に、ZW3Dminiを使用し3Dプリンターで作成した子どもパソコンをお持ちいただき、みなさんにご覧いただきながら具体的な制作方法について解説いただきました。こちらのパソコンは、ZW3Dminiで制作した筐体の表面に液晶、裏面にラズベリー・パイ(シングルボードコンピューター)が取り付けられた子どもパソコンで、子どものプログラミング教室でも使用いただいているそうです。
続いてソフトの特徴的な操作方法について、実演しながら丁寧に分かりやすく解説いただきました。
使えるコマンドについてもソリッドワークスとほぼ同じで、参加された皆さまとても興味深く見入っておられました。
こういった安価な3Dソフトが普及していくことによって、家庭で簡単にパソコンが作れるようになったり、子どものプログラミング教育なども加速していくだろうということです。
終了後の懇親会では、展示された筐体を実際に手に取ったり個別質問をするなど、和気あいあいと交流いただきました。
【日 時】6月14日(金)19:00~21:00 後半は懇親会
【スピーカー】岡村 修一(おかむら しゅういち)氏 (キュウプロダクツ 代表/インダストリアルデザイナー)
【参加人数】9名