第29回
不成約の理由とは?
コロナ禍で社会・経済面でこれまでのあり方が大きく見直されているように、当センターも、従来の事業の捉え方や進め方を検証し、見直しつつあります。企業様に向けたデザイン相談やデザイナー紹介も従来通りに行ってはおりますが、国内外の市場の変化、緊急事態宣言による企業活動の変容もあり、2020年度は案件数が減少しています。
しばらくは案件数が少なくともマッチングの成約率を高めていくために、いま一度、昨年度(2019年度)の不成約案件の分析を行いました。年間107件のデザイナーを紹介してほしいという相談を受け、条件や相性に適したデザイナー情報を提供してコーディネートしましたが、成約・進行中・検討中は60件で、不成約は47件でした。
発注者である企業様側と、受注者であるデザイナー側とのマッチングに向けた商談は、案件ごとに内容はまちまち。スムーズに事が運ぶこともあれば、課題にぶつかることもあります。不成約の中身は、費用面や相性が合わないことも理由ですが、マッチングに至らない理由の1つに、「結果、デザイナー情報収集止まり(リサーチの段階)」があります。社内的な事情も大いにあるかと思いますが、デザイナーに関心を持って入口には来ていただいたものの、企業様側からその後のアクションがなく、結果、コーディネートに至らないというケースです。
企業様からは具体な面談を前提にデザイナー紹介を求められる場合と、まずデザイナー情報を入手して社内で検討を進めていかれる場合があります。前者は案件が具体的で本気度が高く、当然マッチングに繋げやすいですが、後者は具体的な案件がまだなかったりして、検討段階にあるため、その後の進展に結びつきにくいです。
後者であっても、時間を置いてデザイナーの方ときちんと面談される企業様もありますが、まずはWEB情報や実績事例の確認だけでなく、実際に一度デザイナーと対面して、情報・意見交換する中で、次のステップを検討していただければと思っております。デザイナーの方との面談は費用も基本的に掛かりませんし、会話する中で、新しい視点やアプローチの方向性が見えることも大いにありますので。
これからもデザインを必要としている企業の皆様や、デザイナーの皆様に向けて、良き出会いからグッドビジネスに繋がるようにサポートしていきたいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
以下は47件不成約の原因分類一覧です。ご参照ください。
2020年度デザイナー紹介 不成約案件
件数47件(全107件中)
理 由 | 件 数 | |
1 | 結果、デザイナー情報収集止まり(リサーチの段階)で面談に至らず | 15 |
2 | 相性・コミュニケーションに課題(企業側にも課題あり) | 6 |
3 | 費用面で合わず(費用対効果) | 5 |
4 | 結果、現状のままで社内デザイン対応(もしくは従来のデザイナーで) | 5 |
5 | 紹介デザイナーに新たな魅力を感じなかった | 5 |
6 | 事業やデザイナー起用のあいまいさ(販路まだ、プロダクトアウト目線のみ) | 2 |
7 | 他で情報収集したデザイナーを選定 | 2 |
8 | デザイナーとは情報交換までで特に進展なし | 2 |
9 | 取り組みの見送り、見直しで保留・中断 | 1 |
10 | 条件面(環境・納期など)で合わず | 1 |
11 | その他 | 3 |