第8回
良いデザインと売れるデザインの違いとは?グッドデザインが果たす役割について。
前回は「デザイナーとのビジネスマッチングに向けて、企業とデザイナーの疑問や不安を知る」というお話でした。
今回は「GOOD DESIGN = SELLING DESIGN」 良いモノ = 売れるモノ についてです。
【人気コンテストでデザイン最優秀賞!なのに、なぜ?】
先日、某プロダクトデザイナーさんとお話しする機会がありました。
ある時、文具メーカーの方から新商品開発のことでデザイナーを探している相談があり、
紹介したデザイナーさんです。
その時のマッチングの結果、とても可愛らしい文具ができあがり、
なんと文具展示会で開催された”お客様が選ぶ新製品人気コンテスト”で
デザイン最優秀賞を受賞したと聞いていました。
しかしこのデザイナーさん、自分としては企業さんに貢献できなかった部分がある、と
おっしゃるのです。
良いものが出来あがってモノの評価はされたけれど、大きく売上に貢献できなかった、と。
デザインの評価は上々でしたが、そのメーカーの持つイメージ、販路や売り場の商品群とは
ジャンルが違っていたようで、購買者層の違いが原因だったのかもしれません。
【良いデザインが果たす役割】
ただ、このデザイナーさんはとても謙虚な姿勢を持たれてました。
Gマークなどで評価されることにこしたことないですが、やはり売上に貢献してこそ、
デザイナーも次のデザイン受注につながるのだ、というあたり前のことを改めて感じました。
そしてこのデザイナーさんとの話を聞きながら、以前に私たちが開催したシンポジウムで、
良品計画の金井社長がおっしゃられていたことを思い出しました。
「デザインは買ってもらわないと出来上がりにはならない」
確かにデザインの果たす役割は経済的な側面だけでなく、社会のあらゆる場面でチカラを
発揮しています。
デザイナーの発想方法やデザイン思考が注目されている昨今ですが、
「GOOD DESIGN = SELLING DESIGN」が認知されるようになれば、
企業のデザインマインドの向上だけでなく、
デザイナーの職能がもっと見直されるのではないかと思っています。
【デザインで変わる!デザインで売れる!】
当センターもマッチング後のヒアリングで、相談企業から
「デザインで評価が上がった」というコメントだけでなく、
「デザインでこれだけ売り上げに貢献した」という数字も挙げれるようにしなければ・・・。
今年もあと残すことろ1ヶ月となってしまいました。みなさんは今年一年、どう過ごされましたか?
月並みですが年々1年過ぎるのが早く感じております。慌ただしい時期ですが、みなさんくれぐれも風邪などひかないようお気を付けください。
大阪デザインセンターの営業ですが、年内は12月28日まで、新年は1月4日からとなります。宜しくお願い致します。
次回のコラムは「パッケージデザインについて」です。こちらもあわせてご覧ください。