グッドデザイン-部門別賞-
部門別賞
平成19年7月期
工業デザイン部門
 

最優秀賞
商品名: パワーラインサウンドシステム
music tap  XW−PSS01
出品者: パイオニア株式会社
デザイン: パイオニアデザイン株式会社
プロダクトデザイン部 高橋 亘
税込価格: オープン価格
パワーラインサウンドシステム music tap  XW−PSS01

【選評】 (審査委員 石川 照男 = 三洋電機株式会社 アドバンストデザインセンター 担当部長)

   陶器をイメージするやさしい曲線でつつまれた形は、置かれた位置や見る角度でいろんな形に変化し、何となく心を和ましてくれる。そこから溢れる静かな音楽、まさに花器に生けられた美しい花のようでもあり、食器に美しく盛られたオードブルのようでもある。
   内に秘められた高度な機能を包み隠し、音楽の新しい聞き方、楽しみ方、そんな新しい価値と経験を創り上げた商品である。商品コンセプト、技術、フォルムが絶妙に融合した商品である。同業のデザインを担当する者としても「やりやがったな!」と羨むデザインである。今回の審査会でも満場一致の最優秀賞受賞となった。
    music tapという商品名もまたその新しい価値を一言で表現したネーミングであると思う。
    一言だけ、文句を言わしていただければ、私は生き物を連想するようなニックネームが欲しかった。この商品の存在が、いつも、どこでも、自分をやさしい音楽で包み、気遣ってくれる生き物のように思えてしかたがないからだ。

優秀賞
商品名:

充電式カイロ  KIR−S1S

出品者: 三洋電機株式会社
デザイン: 三洋電機株式会社 ブランド本部
アドバンストデザインセンター
パワーデザイン部 能見 拓男
テレコムデザイン部 久田 風子
税込価格: オープン価格
充電式カイロ  KIR−S1S

【選評】 (同部門 副部門長 諸岡 信一 = シャープ株式会社 オンリーワン商品企画推進本部
                                                                          総合デザインセンター 開発室 室長 )
   「人と自然に暖かい」とあるこのカイロは、単に新しい環境を配慮したカイロと言うだけでなく、なんとも郷愁をそそるものがある。
   子供の頃、寒い冬の朝、公園で焚き火をして、そこに小石をくぐらせて焼き石を仕込む、それをハンカチに包んでポケットに忍ばせる、ポケットの中だけは外の寒さを忘れさせてくれるものがある、その時に決まって、丸くて薄くて気持ちのいい河原の石を選んで、自分の石にする、この充電式カイロには、その石のような手に馴染む心地よさと大きさがある。そして、充電か直接熱を溜めるかの差はあっても、とても環境にやさしい暖房機ではないだろうか?なぜか心まで温めてくれそうなデザインである。

優秀賞
商品名:

コンパクトスピーカーシステム
Panasonic  RP−SPF01

出品者: 松下電器産業株式会社
パナソニックデザイン社
デザイン: 松下電器産業株式会社 
パナソニックデザイン社
AVCネットワーク分野
AVCNモバイルグループ 
AVチーム 吉山 豪
税込価格: オープン価格
コンパクトスピーカーシステム
Panasonic  RP−SPF01

【選評】 (同部門 審査委員 西尾 年之 = ダイキン工業株式会社 空調生産本部 
                                                                                    デザイングループ 主任技師)
   デジタルオーディオプレイヤーの普及に伴い、音楽を楽しむ環境が変化している。数百もの曲を手軽に持ち運べる便利さによるカジュアルな楽しみ方が主流になっており、原音にこだわったオーディオシステムやルーム環境に身を置いてジャズやクラシックを聴くのとはまた違った価値観がそこにはある。コンパクトアクティブスピーカーはパソコンを中心としたシステムまたは、勉強や読書をしながら机上で楽しむセカンドオーディオとしてのパーソナルユースが多いと予想される。パーソナルユースを想定するためか奇抜なデザインの商品も多く販売されている中、この商品は現実的な使用状況を想定した小音量再生時の高音質と飽きのこないデザインを追求した商品である。
   厚肉鍛造工法を用いた総アルミボディーの質感の良さとシンプルなデザインの相乗で高品位な商品に仕上がっている点が高く評価された。また生真面目な印象のデザインの中にも、間接光をさりげなく使ったボリュームなどはカジュアルさを演出する一振りのスパイスとして好感が持てる。

中小企業優秀賞
商品名:

キャッチパレットトラック
CP−15S−107

出品者: 株式会社をくだ屋技研 
デザイン: 株式会社をくだ屋技研
技術部 開発課 市原 浩一
税込価格: \110,250
キャッチパレットトラック CP−15S−107

【選評】 (同部門 審査委員 植松 豊行 = 松下電器産業株式会社 上席審議役[デザイン担当])
   本商品は多様化する物流作業において、主にパレット等の重量物の運搬に用いる手動油圧式ローリフトで、すでに当該用途に対し同種の商品が永年にわたって用いられている。  
   その中でも本商品の特筆すべきポイントは、独自の操作方式を継承しつつ、ユーザビリティーを改善するため主操作ハンドル部を従前の金属から強化樹脂製に改め、エルゴノミクスを考慮した形状の採用と併せ、冬場など低温時におけるオペレータの感覚改善が図られた点で、このことにより機能性が大きく改善された点を評価したい。また操作性の向上と共に軽量化への配慮もなされており、加えてユニバーサルデザインの視点から作業対象者の範囲拡大が図られている点も高く評価できる。更には無鉛塗装、欧州RoHS対応などの環境配慮もなされており、これらを併せ本受賞に繋がった。
   今回の受賞を期に更なる作業性の改善、ユニバーサルデザイン、環境配慮の進化、加えて細部仕上げの精査等、デザイン力向上に取り組まれることを期待し、選評としたい。

※ RoHS(ローズ):EU(欧州連合)が2006年7月1日に施行した有害物質規制。

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