グッドデザイン-部門別賞-
部門別賞
平成17年6月期
住・生活環境デザイン部門
 

最優秀賞
商品名:デュアルコンパクトミラー YDL-600
出品者:株式会社ヤマムラ
デザイン:鬼塚デザインスタジオ
税込価格:\630
デュアルコンパクトミラー YDL-600

【選評】(同部門 副部門長 浪越 ひろみ = 羽馬屋意匠プロダクトデザイン代表者)
 コンパクトミラー。女性ならカバンの中にひとつくらいは入っているであろう重要アイテムである。また平面鏡に加え拡大鏡(凹面鏡)もセットしたコンパクトミラーも多いと聞く。
コンパクトミラーはメイクの道具と考えれば拡大鏡内蔵も当然の帰結ではあるが、高品質を保つためのガラスミラーはそれなりの重量があり、それをコンパクトとはいえ2枚分持ち歩くのには抵抗を感じるのも確かである。この「デュアルコンパクトミラー」は、そこに焦点をあてた驚きの製品である。なんと拡大鏡として使用するために高価な凹面鏡を使用するという常識を覆し、平面鏡を保護するカバーレンズを一体成型して、拡大鏡として使用するときは、カバー越しに覗き込むというまったく新しい使用方法を提案してきたのだ。
ガラスミラーを2枚使用しなくて済むという、その効果のほどは抜群でコスト面ではもちろんのこと使用者の立場から言えば軽いことのメリットはなにものにも替え
 デザインはとてもオーソドックスなもので、決して華美ではない。しかし丸く成型したレンズの周囲を梨地とすることで、単調さを払拭し高品質感を出すことにも成功している。
レンズと鏡の組み合わせを持ち込むと言うアイデアがデザインを触発し、成功することの好例をこの「デュアルコンパクトミラー」は具現化したといえよう。

優秀賞
商品名:リング型紙めくり (メクリン) メク-20.21.22
出品者:コクヨS&T株式会社
デザイン:同社 コンシューマープロダクツ事業部
ステーショナリー企画開発部
税込価格:\180 (5個入)
リング型紙めくり (メクリン) メク-20.21.22

【選評】 (同部門 部門長 福田 民郎 = 京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科教授)
 この商品は、フィット感が良好で、とにかく使いやすい。実際に大量の紙で使ってみたが、紙のホールド感も非常によく、紙めくりがスムースで確実に1枚ずつの操作ができた。
 穴あきタイプで比較的指がむれにくい、カラーもパステル調で抑えてあり、遠目からは目立たない、また、表裏がなく、装着そして取り外し時に気を使わなくてもよい等の細かい配慮がされていることも好感が持てる。袋状の従来品と比較すると、伸縮性に優れたシリコンゴム製でやわらかいので、圧迫感もなく、いわゆる感じのよくない装着感が大幅に軽減されている。人差し指・中指・親指などに使える3サイズ、パッケージも5個入りと20個入りの2種類があり、低価格品であるが購入時の選択幅も広い。
 小さなモノに関する改善の積み重ねといった一見地味な範疇のデザイン開発に対しては、スポットライトが当たりにくいが、コクヨ社一連のユニバーサルデザインの開発姿勢を高く評価したい。

優秀賞
商品名:フィッシング専用サングラス
SWANS WARRIOR-IV
出品者:山本光学株式会社
デザイン:同社 商品企画部
企画課 安原 和人
設計課 武士 克也
税込価格:\15,750
フィッシング専用サングラス SWANS WARRIOR-IV

【選評】(同部門 審査委員 河野 登 = ミズノ株式会社商品開発部デザイン室 上級専任職)
 SWANSの名で知られる山本光学(株)のサングラスで、釣りをこよなく愛するアングラー達にターゲットを絞ったフィッシンググラス。
 水面の偏光やギラツキを遮断してくれるのはもちろん、サイドからの光の入り込みを極限まで抑え、目標物に、より集中できるレンズカットがほどこされており、専用サイドカバーも装着されている。このスチレン系エラストマー素材のサイドカバーは顔の形状になじみ、装着使用に違和感はなく、サイドからの風と光をほどよく遮断してくれるので、長時間の使用にもストレスを感じさせないフレームバランスになっている。他のグラスより、ややスクエアなレンズフォルムは、落ち着き感があり、フィッシングのスタイルアップにも、釣り仲間のマナーアップにも一役かってくれると思われる。
 ボートで水面走行時も快適なので、オープン車のドライブ時にも適しているとは思うが、ターゲットを明確にし、使用時の利便性を徹底追及しているデザイン開発姿勢がうかがえるので、魚と向き合う時意外はハードケースにしまっておき、大切に使いたいサングラスである。
中小企業優秀賞
商品名:アームチェア ガレット
C444-0
出品者:株式会社アダル
デザイン:プライムデザインオフィス
蛯名 紀之
税込価格:\43,050
アームチェア ガレット C444-0
【選評】(同部門 審査委員 園田 泰雄 = 高島屋スペースクリエイツ(株)
プランニング・デザイン本部 開発事業担当 部長)
 この椅子をはじめて見た時、やさしい椅子と感じた。手で触れると軽快である。細部を見ると、足の断面は三角から楕円、そして円へと有機的に変化している。笠木はフィンガージョイントで結合されている。デザインを細部までこだわり、繊細で優雅なフォルムを構成している。
この、こだわったデイテールを前にして、メーカーに確かな生産技術の蓄積がなければ製品化は困難だったろう。
 座ってみると心地良く、ゆったりとした時が流れ、本物との出会いを感じさせてくれる一瞬であった。静かに見つめていると、使い手への思いやりが感じられ、椅子としての存在感をさりげなくアピールしている。デザイナーの目指す「普遍の美」の一つの在り方が感じられる。
 一人よがりな自己主張がなく確かなデザイン力と、確かな生産技術で、末永く生き続ける事ができる可能性を持った椅子だと感じた。

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