グッドデザイン-部門別賞-
部門別賞
平成15年11月期
工業デザイン部門
 

最優秀賞
商品名: ドラム式洗濯乾燥機 NA-V80
出品者: 松下電器産業株式会社
デザイン: 松下電器産業株式会社
パナソニックデザイン社
ナショナルデザイングループ
ホームケアシステムチーム
津田 幸裕 ・ 小林 優
税込価格: オープン価格
ドラム式洗濯乾燥機 NA-V80

【選評】 (同部門 審査委員 加藤 公敬 = 富士通(株) 総合デザインセンター センター長)
 これまで国内では「縦型」と「横型」の二つタイプの洗濯機があった。長く国内では縦型洗濯機が主流を占め、二槽式を経て全自動タイプとなり、上部に乾燥機を併設するタイプが一般的となり乾燥一体の現在型となった。海外やコインランドリーでよく見かける横型洗濯機は洗濯と乾燥が同じドラムで可能なタイプが一般的で、海外製品のOEM製品から普及を始め、最近は国内でも製品化されるなど利用が伸びていると認識している。

 本商品の特徴は、縦横双方の利点を生かし「ななめ30°ドラム」方式が採用され、利用者にとって更なる利点を生み出している。まず、「ななめ30°」は、洗濯物の出し入れやドラム奥の洗濯物にも手が届きやすく、大きい透明ドアも相俟って、とにかくよく見えるし楽に作業ができる。上部フラット面には洗濯カゴなどが置け、大型スイッチの採用や操作フローに合わせて配置された操作部、光の色と量で動作状況を表現する表示部等、見るからに ・ ・ ・ 、である。さらに、ドラムのななめ効果で洗濯時の水の必要量も少なくて済むそうである。

 また、カラーバリエーションもドラムカバーの輪郭部のみの2色(種類)である。全体としておしゃれにまとめられており、いろいろな人が使いやすいなどのユニバーサルデザインと節水 ・ 省エネ効果が期待できるエコデザインを見事に両立できている訳である。

 こんな洗濯乾燥機があれば、を見事に実現し、判りやすいそれらしいデザインがされており、人や地球への配慮など企業の社会責任など社会性も十分発信されている。デザインの可能性を追求、実現された手ごたえのあるすばらしい商品である。我が家の洗濯乾燥機も買い換えたくなる誘惑に駆られそうである。

優秀賞
商品名: 軽乗用自動車
DAIHATSU Tanto
出品者: ダイハツ工業株式会社
デザイン: ダイハツ工業株式会社 デザイン部
税込価格: \1,047,900〜\1,533,000
軽乗用自動車DAIHATSU Tanto

【選評】 (同部門 副部門長 小山 格平 = 京都市立芸術大学 教授)
 軽自動車という考え方は、日本独特のものである。狭いこの国の中を走り回る乗り物として、又迷路のような街中を移動する手段として、税制面等で優遇したのである。その軽自動車の規格も、様々な変遷を経て平成10年10月1日に現在のサイズに到っている。以前は車検制度もなく、軽自動車専用の運転免許もあったようだ。

 今回優秀賞のダイハツ「Tanto」は、一見して軽自動車とは思えない大きさである。軽自動車の規格で全長マイナス5mm,全幅マイナス5mmという最大のスペース利用し、ほとんど垂直面のドアパネルにより、最大限のインテリア空間を創りだしている。小さな子供なら立ったまま歩ける室内であり、とにかく空間の広さを実感できる。子供達を乗せてお買い物、幼稚園の送り迎え等、運転のし易さ乗り降りの簡単さ等よく考えられている。もちろんファミリーユースばかりでなく、その内部空間の広さは、商用車としても魅力的である。

 インテリアもシンプルでプレーンな表情で、日常の足として利用するのには、飽きの来ない必要にして十分なものである。軽自動車のインテリアを華美なものにし、運転席まわりをスポーツカーの様なコックピットにする必要は全くない。その意味で、軽自動車の基本を忠実に守り真摯にデザインされた車である点も評価された。本体色及びインテリアカラーに関してもライトなトーンでまとめられている。ちなみに名前の「Tanto」は、イタリア語でとても広い、たくさんの意味だそうである。

 日本の国内事情から考えられた軽自動車ではあるが、環境問題、省資源 ・ エコロジー問題、エネルギー問題、リサイクル問題、そして排気ガスによるCO2の問題等々現代社会が抱える様々な問題の解決策の一つが軽自動車にあると言っても過言ではない。その意味で、日本はこの制度を大事にしなければならないし、日本発のグローバルスタンダードと言えるものである。しかし、軽自動車の黄色いナンバープレートは何とかならないものか、折角の本体デザインを台無しにすることもあるのではないか。

優秀賞
商品名:

SDマルチカメラ
D-snap SV-AS10

出品者: 松下電器産業株式会社
デザイン: 松下電器産業株式会社
パナソニックデザイン社
パナソニックデザイングループ
パーソナルネットワークチーム
吉山 豪
税込価格: オープン価格
SDマルチカメラ D-snap SV-AS10

【選評】 (審査委員長 兼 同部門 部門長 井上 斌策 = (株)トータルデザインシステム 代表取締役)
 競争が激化し、様々なスタイルを生み出しているデジカメ市場は、トレンドに対応した新しい方向性を模索しはじめている。私も仕事の関係で、200万〜500万画素と様々にデジカメを使い分けているが、SV-AS10を手にして、初めて外観だけでは充分に把握しきれなかったデザインコンセプトの重要さを再認識した。
 このSV-AS10が発表された時、ある大手カメラメーカーのデザイン部長に、私の感想を述べる機会があった。氏は当然その存在を知ってはいたが、単に携帯電話型のフォルムをデザインに注入したヤングユーザー層へ向けてのニューモデルと理解していた。私がその使用感と機能の斬新性について述べると、後日早々に氏から電話が入り、手にした感想と驚きを「あれはすごいですねー、デジカメの新しいあり方を確実に示している、やられました」とショックを隠さなかった。それはスタイルデザインではなく、その使用感の快適性であった。

 各社ともに若いユーザーに照準を合わせた「なんでもセット」といった方向が、本来カメラを考えるにあたってさほど重要とも思えないが、9.9ミリ超薄型、ムービー、音楽再生、ボイスメモ機能、SDカード搭載機器との連携等を備え、「カメラらしさや安心感の表現からスタートするのでなく、小型化 ・ 薄型化が進んだ時のあるべき撮影スタイル、使い易い姿を一から考え気軽にスマートにデータを楽しめる形を模索した」とデザイン意図を明確に示したPanasonicの特質はよく出来ている。中でも、多機能の簡単操作を容易にした「ジョグボール」と自分撮りを可能にする回転レンズ機構、見せることを意識した画像反転ボタン等の処理はよく考えられている。スマートなリモコンにもシャッターボタンを搭載し、この薄さでデジタル4倍ズーム&10cmマクロ撮影の200万画素はセカンドカメラとしての満足度を充分満たしてくれている。

 デジカメ市場も薄さや、多機能でスタイリッシュといったトレンド戦略から、より明確な「スミワケ」商品開発コンセプトの重要性を示すきっかけとなろう。

選定商品一覧へもどる