ケーススタディ

2012.03.30

「眼を護る」を基本として、絶えざる技術革新とデザインで
「安全文化の創造」に挑む

山本光学株式会社

■お客さまの「眼の安全」を護る

当社は1911(明治44)年の創業で、おかげさまで昨年100周年を迎えることができました。「人々の心豊かな生活文化を創造し、社会に貢献する快適創造企業」を企業理念としており、人々に安全と安心、そして健康で快適な環境を提供することをテーマに「世界のオンリーワンとなる企業」を目指しています。
創業当初から「眼を護る」をモノづくりの基本にしています。一般に眼鏡やレンズは視力を補うものですが、当社は創業当初から砂や風から「眼を護る」ゴーグルを開発・販売してきました。その後、光をコントロールする技術を開発して光から眼を護る眼鏡へ機能を拡大し、1971年世界で初めて曇らないスキーゴーグルや紫外線を遮る偏光サングラスなどの開発にも成功しました。
現在は広く産業安全・スポーツ&レジャー・生活の分野で、長年にわたって蓄積した技術と開発力による製品を世界に送り出しています。昨今は環境や安全に対する意識が高まり、産業用分野で「眼を護る」眼鏡への必要性が深く認知されるようになりました。またスポーツやレジャーの分野でも、ライフスタイルの変化に伴い、ランニング・ウォーキング・ゴルフ・サイクリング・登山など、これまであまり「眼を護る」サングラスが必要と思われていなかったシーンでの需要が高まっています。当社は常に様々な分野での「眼の安全」に徹し、安全眼鏡やゴーグル、サングラスなどを開発してきました。

■使用者の視点でデザインし、トップアスリートを支える製品開発

当社の新製品開発には機能や素材と融合させるデザイン力が重要になります。サングラスであればレンズ機能やフレームの素材などの検討をデザイン開発段階でもおこなっています。商品企画部門や設計部門は、技術開発部門や製造部門との綿密な開発打ち合わせを随時おこないながら新製品開発を進めていきます。そのためデザイナーにも幅広い商品知識が必要になってきます。
プロゴルファーの石川遼選手が常に身につけているサングラスは当社が手掛けているSWANSブランドのサングラスです。ヘッドスピードが速い豪打を持ち味とする石川遼選手のスイングは、振り切ったときに遠心力が強くかかるため、一般のサングラスではズレたり吹き飛んでしまいます。そうかといって、きつく締め付け過ぎると圧迫感が出ます。しっかりとホールドしながらストレスを感じさせないフィット感を実現させるため、改良を重ねてサングラスを開発しています。開発担当者やプロダクトデザイナーが試作品を持って何度もゴルフ場へ行き、練習ラウンドで使用テストの意見を収集したりもします。
ランニング用サングラスの開発には、サングラスの鼻パッドやレンズ形状に工夫を凝らし、選手の練習時に装着しては問題点の改良を重ねる作業を続けたりします。04年アテネオリンピックのマラソン・野口みずき選手の時は、飛び跳ねるようなスライドでもズレ落ちないように「つる(テンプル)」がレンズの下側にあるモデルを作りました。この斬新なデザインは、金メダルを手にした感動の場面とともに世界中に配信され、翌年販売したこのモデルは瞬く間に売り切れました。
昨年は第1回大阪マラソンが開催されましたが、最近各地で開催される市民マラソン大会にも多くの社員が参加し、スポーツ用サングラスの使い心地や機能を検証しています。その中に若手デザイナーも自主的に参加し、自分たちがユーザー視点に立ってサングラスの使用感を確かめ、改良改善や新製品開発に役立てています。

■新たな市場開拓で、眼鏡の新製品開発を積極的に取り組む

安全・健康・快適のための製品づくりとサービスの提供を基本にしながら、新しい市場にも柔軟に対応していきます。スポーツビジネスのフィールドは拡大していると感じています。ランニングや自転車、山登りなどのアウトドアスポーツへの関心は高く、市場は成長しています。当社もサングラスを軸に市場へのアプローチを強めていく必要があります。
市民マラソンや登山でのサングラスの着用率は10%~30%くらいとまだまだ低く、潜在的な需要は大きいと思われます。商品開発やコーディネートの提案、眼の紫外線対策の必要性を伝えるための啓蒙活動を工夫し、市場の潜在力を引き出していきたいと思います。
今年開催されるロンドンオリンピックの舞台で、当社のサングラスを世界各国のスポーツ選手に大いにサポートしていきたいと希望しています。
また、「キレイに」をテーマにデザイナーを含め社内部門間を横断した女性社員によるレディースプロジェクトを結成し「消費者である私たちが欲しいもの」を企画。ライフスタイルが多様化する女性をターゲットとした新製品開発で、女性が求めるファッション性や快適性など女性の気持ちを盛り込んで、レディース向けのサングラスを本格的にデビューさせていきます。

山本光学株式会社 商品企画部 部長
船本 富広氏
■デザイン賞受賞歴
2004年「SWANSスノーゴーグル・ライジングサン」がグッドデザイン賞「中小企業庁長官特別賞」を受賞
2005年日本デザイン振興会より「デザイン・エクセレント・カンパニー」賞を受賞
2006年「SWANSガルウィングサングラス」がグッドデザイン50周年での「時代を創ったグッドデザイン100選」に選ばれる
2011年「SWANSスイミングゴーグルSJ-8」がキッズデザイン賞のキッズセーフティ部門優秀賞を受賞
25年連続で「グッドデザイン賞」を受賞
http://www.yamamoto-kogaku.co.jp