ケーススタディ

2011.08.26

日本から世界へ、この宝物が世界中のこどもたちに届きますように・・・

株式会社Kukkia 代表取締役塩見 和代氏

■Kukkia(クキア)誕生

2007年、今は東京に住むデザイナーの重岡信子さんと、女性2人で木のおもちゃブランドgg*の活動を開始しました。2人で考えたデザインをベトナムの工場で生産し、輸入、そして、2008年2月、ドイツのトイフェアで発表しました。その一方で、gg*で培った海外生産のノウハウや国内・海外のネットワークを活用して、インテリアブランドや企業の木製ステーショナリーやブロック、食器やオブジェ、ノベルティーグッズなどOEMによる受託生産を手がけることとなり、会社設立を決めました。そして、Kukkiaは日本と世界の架け橋となることを目標に、2008年7月7日、デザインプロダクションカンパニーとしてスタートしました。gg*とOEMの2本柱で2年間、経営を続けました。
gg*はこども服のセレクトショップを中心に国内で少しずつ広まっていきました。雑誌に紹介されることも増えましたが、利益は少なく、会社の経営はOEM頼みでした。しかしながら、OEMは定期的に仕事を頂けるわけではありません。会社の経営を安定させるためにはどうしたらよいか、日々頭を悩ませておりました。そして、「世界へ向けて新ブランドを作りたい」という心の声が聞こえてきました。

■kiko+の誕生

kiko+は、こどもたちのもの。そして、こどもたちとともに成長する。こどもたちみんなに個性があるように、それぞれがこどもたちの手によりきらきら輝く星のような宝物になる。その宝物は、たくさんの思い出と一緒にこどもたちと歩んでいく。この宝物が世界中のこどもたちに届きますように・・・こんな想いや願いを込めた木のおもちゃや雑貨、そしてこどもたちが主人公になるワークショップやイベントを企画するプロジェクトがkiko+です。
新ブランドkiko+誕生のきっかけは、岡山のfamo.DESIGN STUDIOをされている藤原敏嗣さんとの出会いにあります。たくさんのデザインアイデアをお持ちで、技術面もシステム面もとても詳しい方です。私はその藤原さんのアイデアを何とか形にしたい、商品にして世に広めたいという気持ちを常日頃持っていました。そして、「そうだ、一緒にブランドを立ち上げよう」とひらめきました。それからはブランドのネーミングからブランドコンセプト、商品、パッケージに至るまで、Kukkiaの一員として商品開発に加わっていただきました。kiko+の商品の中では「machi」「kuruma」が藤原さんのアイデアによるものです。
このように、kiko+はデザイナーさんとのコラボレーションもコンセプトのひとつとしています。大阪のデザインユニットmagnetさん発案の「ashiato」もコラボレーション商品のひとつです。magnetさんがお持ちの歯の部分が足跡になっている下駄のアイデアに、鼻緒をゴムのストラップに変更するアイデアを加えて「ashiato」が完成しました。「dongri」は、大阪でオリジナル家具やオーダー家具を手がけるutataneさんとのコラボです。"コマ"というお題を出したところ、かわいらしい「dongri」のデザインを考えてくださいました。もちろん、コマとして遊べます。そこにヒモを通すアイデアを加えて、アクセサリーとしても使えるようにしました。そして、「tanabata」「ki」は星と森が大好きな私のデザインです。

■海外へ

そうしてわいわいと完成した商品を携えて、今年1月、パリのメゾンエオブジェに出展しました。オランダでキッズ向けインテリア雑貨の製造販売をしている友達のアドバイスだけを頼りに、全て自分たちでコーディネートしました。満足のいくサンプルがなかなか出来上がらず、フランスとのやりとりも大変でしたが、いざ出展してみると、予想以上の大評判となり、連日kiko+のブースには人が溢れかえっていました。メゾンエオブジェの事務局からは「展示会のキッズアイテムの中でNo.1」と言っていただきました。そして各国のバイヤーさんからたくさんのオーダーをいただきました。下駄やコマという日本文化を代表するアイテムを選び、ネーミングは全てローマ字表記ですが、日本語にしました。それがヨーロッパの方々に受け入れられて、本当にうれしく思います。世界のこどもたちに届けるという夢に、ひとつ近づくことができました。今年9月もメゾンエオブジェに出展し、新商品を発表する予定です。
私たちはまた、もうひとつチャレンジをしました。オランダの倉庫と提携し、ヨーロッパへの物流基地にすることです。こちらは税金のことをクリアにするためにとても時間がかかりました。しかし、そうすることによって、無駄な送料をカットすることができます。また、ヨーロッパのお客様のオーダーに素早く対応することができます。それは今後の私たちの強みとなってくれることと思います。

■これからの私たちの夢

「世界と日本の架け橋となること」これはKukkia設立当初から目標にしていました。Kukkiaとはフィンランド語で「実を実らせる」という意味です。また、日本語の茎(くき)の意味も込めています。茎は、お花と根っこの間にあって、絶対になくてはならないパイプの役目を果たしています。Kukkiaも日本と世界、こどもとあそび、こどもとその家族、それらの間になくてはならないパイプの役目を果たしていきたいと思っています。最近では若いデザイナーさんの応援をすることも視野にいれています。
これからも茎でありたい、そして色とりどりの花を咲かせ、実を実らせることが、変わらない私たちの夢です。

株式会社Kukkia 代表取締役 塩見 和代氏
1977年生。自社ブランドであるgg*、kiko+の総合プロデュースの他、海外生産のノウハウや国内・海外のネットワークを活かして、デザインブランドやメーカーなどの様々な製品のOEMを手がける。最近では企画デザインの依頼に加え、デザインコンサルの仕事も増えている。